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防災教育事業事例報告会
小中学校その他 と 311時の岩手での状況
NPOかながわ311ネットワーク主催
 かながわ311ネットワーク代表の伊藤氏挨拶  
 かながわ311ネットワーク代表の伊藤氏挨拶  
 「本県の地域特性に応じた防災教育プログラムのモデル開発を行い、学校と地域を繋げる人材を養成した上で、防災教育を広めていく。また、広域的に防災教育を進めるための中間支援基盤の構築をめざす」神奈川県の児童・生徒の防災教育推進事業の委託をうけ、「かながわ311ネットワーク」は平成27年度からスタートした。2年目の期末ということで、同団体が進めてきた「自分の命を自分で守れる子どもを育てるために」事業の「事例報告会」が2月26日(日)横浜市南区吉野町市民プラザで開かれた。

 冒頭、実施してきた事業に浮いて説明。①防災教育プログラム実施モデル校3校の選定、②防災教育ファシリテーター養成講座、初級編、上級編の実施、③SNS活用の防災教育コミュニティとして、特設サイト作成(3月末公開予定)、の3点を挙げた。そして今後は、ここにいる皆さんと力を合わせて、これからも取組み続ける、と宣言していた。

 続いて、各取組み校の発表に移った。
   発表学校・団体
 1  横浜市立中川西中学校
 2  横浜市立並木中学校
 3  座間市立入谷小学校
 4  逗子市小坪小学校
 5  横浜市立能見台小学校
 6  NPOミニシティ・プラス
 7  逗子市立沼間地区
   避難所運営委員会
 中川西中学校は、①自助として「命を守る、それが最優先」、②共助として「私たち中学生が避難所を守る」、③防災学習として「講演会や東北での取組みなどの学習から、避難しているとき、中学生でできることがたくさんあることに気づく。④地区別集会で街歩きマップ作り等から、これからもこの取組みを続け、自分たちには何ができるかを考え、災害に備えていきたいと語った。

 並木中学校は、1年目、2年目に地域防災拠点訓練に参加し、教師も生徒も「もっと地域に役に立ちたい」と思い、市防災センター見学、HUG訓練を通し、防災・減災のため地域の一員として中学生が活躍できることや場面を考え、作っていく、とした。
   座間市立入谷小学校の発表
   座間市立入谷小学校の発表

 入谷小学校は、アンケート調査から、災害に対し十分に準備されていないこと、災害への想像力、知識が乏しい実態を確認。災害時に自分の命を守り、支え合う力・心の育成のため、「知って、考え、行動する防災教育を目指す」こととした。例えば、6年生は総合学習で「防災マップを作ろう」という各学年ごと、教科別に目標を決め、学校全体としては、東日本大震災の語り部による講演会、災害用伝言ダイヤルとした。入谷小学校の日(各月18日)を設定し、実際に行動できるようにシェイクアウトを、いろいろなタイミングで実施している。

 小坪小学校は、「自分の命は自分で守る」を目標に、毎月テーマを決め実施。火災避難、引渡し訓練、DIG訓練、津波避難、逃げ地図、不審者対応、知る・行動するのDVDなど。逃げ地図での生徒の感想として、近くにこんな避難するところがあることを初めて知った。津波の来る高さ、高台まで何分かかるかをみんなで話合えてよかったなど。今後は、学校だけでなく保護者、地域とも連携を。教職員が地域の災害、防災について学ぶ必要生を感じている。

 能見台小学校は、熊本地震や避難訓練などでのきっかけに、「災害が起こったら心配。防災のことを知りたい」ということから「めざせ!防災マスター!」を総合学習の時間で。」DIG,HUG訓練を通し、命を守る行動とは・、安心安全な避難場所は?から「避難生活体験」や東日本での経験談等で、日頃からの備え、協力・交流の大切さ、知恵と工夫で改善を意識。「広く外部機関と関わり、情報を集め、試して確かめ、自分の考えを深める」「防災に尽力する人々と関わり、生き方、考え方に学ぶ」といった力が子どもたちの身に付いたのでは。

 ミニシティ・プラスは、子どもと大人が一緒に取組んだ防災活動を11月23日のボランティアフェスタで自ら企画し実施。担架作り、応急手当、防災トイレ、非常食などを。

 避難所運営委員会は、委員の半数が毎年新しくなる。地域の災害想定・地域の社会資源・避難場所の確認・要援護者への真剣さなど、意識共有されていないことが課題だった。DIG,HUGの複数回の実施により、意識の共有化が図られた。今後の課題は、けが人・病人・要援護者別の細かな対応、外国人との協働、トイレ改善、開設マニュアル作成など。大規模災害時には全員が被災者。多くの人が避難所づくりのノウハウを持つことで、いざという時に連携して避難所づくりができる沼間地区」を目指している。
森本氏の講演   
 森本氏の講演  

 第2部は、岩手大学大学院准教授の森本晋也氏が「震災を生き抜いた子どもたちに学ぶこれからの防災教育」をテーマにした講演。森本氏は311発災の前年の2010年3月まで釜石東中学校で防災教育を担当。2011年4月から大槌町教育委員会で学校再開に、2012年4月から岩手県教育委員会で復興・防災教育を担当し、2016年4月から現職に。
 
 311発災前からの防災教育によって子どもたちは「てんでんこ」の意味を理解し、自ら直接高台へと避難した。その当時の子供t地の行動、その後になってからの感想、思いを聞くと、彼らは当時の教育が、そうさせてくれた、と語る。

 「自分の命は自分で守る」には、①自然災害発生のメカニズムに対する知識、②災害発生時に身を守り、生き抜くための技能に加え、③身を守るための行動の3つがあって可能となる。それには知識に加え、訓練により活動に結びつく適切な判断・意思決定・行動選択ができるようになること。すなわち、主体的に行動する態度が養成される。
 学校の安全、防災力の向上は、地域のそれと一体をなす。どちらだ欠けても安全でなく、防災力の向上とはならない。

 発災時の子どもたちの態度、地域の人たちを巻き込んでの行動などを披露しながらの話に、同じ釜石(箱崎と唐丹)へ救援ボランティアとして行った筆者にとって、身近に感じたとともに、子どもたち、地域の状況に感動を持って聞き入った。